今回の滞在で買った物 ②タッセルとロゼット

期間が空いてしまいましたが… 今回の渡航で買った物の続きです。

タッセルとロゼット。 「Declercq(デクラーク)」というメーカーの物です。

超有名店なので、ご存知の方も多いと思いますし、 きっと、写真内の作品を見ただけで、
Declercqの物だとすぐにお分りになった方も いらっしゃるかと思います。

Declercqは1852年にパリで創業した、フランスを代表するパスマントリーメーカー。
(パスマントリーとは、ブレードやタッセル、フリンジ、組み紐や飾り紐などを総称した 装飾品のことです。)

こちらのDeclercqでは、古くから伝わる貴重な伝統技術を用いて、
手作業でパスマントリーを制作されていて、糸染めまでも手作業で行われています。

その技術とセンスは本当にズバ抜けていて、 ここのパスマントリーを一度見たら もう他の物は見られない…
と思ってしまう程、本当に大好きなお店。

ただ、お値段が高いので、買おうかどうしようか…と迷ってしまい、 ずっと手が出せずにいました。
でも、次にパリに訪れた際には必ず買う!と、ずっと心に決めていたので、
お小遣いの予算オーバーを無視して(笑) 今回 、購入してきました。

実は私、とても幸運なことに、 このDeclercqの アトリエ見学をさせてもらったことがあるのです。
少し話が長くなるのですが…

4年前、フランスの刺繍学校「Les beaux art du fil 」に通うため 、渡仏していた時のこと。
たまたま用事があって、学校が始まる予定日より、早めにパリに到着し滞在していたところ、
刺繍学校のClaire先生から連絡があり、 「もうパリに来てる?もし来てるのなら、通年コースの生徒達を連れて、 パスマントリーのアトリエ見学に行くから、一緒に来ない?」と、
とっても嬉しいお誘いを受けたのです。

こんな機会は滅多にない!ということで、もちろん即答で「OK!」。
先生のお言葉に甘えて、一緒に見学させてもらえることになりました。

まずは学校で待ち合わせをして、車2台で アトリエへ。 アトリエまでは 、約3時間ぐらいかかりました。
アトリエ近辺には 牛なども居て、とても のどかなところでした。

優しい雰囲気の女性スタッフが出迎えて下さり、 広いアトリエ内を、時間をかけて とても丁寧に説明して下さいました。
無造作に置かれている沢山のシルク糸や材料達、ブレード用の織り機、
一体何年前の作品何だろう?と思うような、年代物のタッセルがズラリと並んだ空間、
見事な程にあるタッセル用木玉のストック…
どれもこれも本当に素敵で、ため息ものでした。

ここのメーカーは、手作業で丁寧に作られていると聞いてはいたけれど、 本当にまさにその通りで…
とても長い原糸を、広いアトリエを行ったり来たりしながら、1本1本丁寧に 手作業で撚っていたり、
とても小さなパーツの糸の巻付けも、全くズレることなく、きっちりと巻き付けていたり…。
気の遠くなるような作業を、それぞれの持ち場の職人さん達が、 黙々と丁寧に丁寧に手仕事されていました。

こんなに貴重な見学をさせて頂けるなんて…本当に本当にありがたいことで、
スタッフの皆さんや、Claire先生には とても感謝しています。
今 思い出しても 興奮してしまうぐらい、とっても素晴らしい時間でした。

見学をさせて頂けたことで、"本物"と言われる このメーカーの作品の価値を、
心から感じることが出来たアトリエ見学。
以来、いつか生徒さんには、実物作品を手に取って頂いた上で、アトリエ見学のお話が出来ればと ずっと思っていました。

そして今回、ようやく数年ぶりにパリに行く事が出来て、 作品を購入することが出来ました。
お店には、数えきれないほど色んな商品があるのですが、 せっかくなので、他ではあまり見かけない形の物や、 アトリエ見学で"凄いな"と感じた技術が用いられているものを、 私なりに吟味して 選んで買って来ました。

こちらは、形が珍しいキータッセル。
何とも言えない気品ある鮮やかなブルーです。

このシルク糸も やはり手染めです。
からし色のブレード部分にも細かい細工が。 くびれ部分とお尻部分にも、
手の込んだ細工パーツが施されています。

こちらはロゼット。 本体にかかっているブレードの細工は ため息物。
下部分のひらひらも、手染めされたシルク糸を、1本1本丁寧に土台に巻き付け、
特殊な道具を使って、職人技で癖づけていました。

この過程がとても興味深くて、ずっと見入ってしまった私。
とても勉強になる仕上げ方でした。

こちらは、アウトレット価格で値下げされていたので、 カーテンに合わせようかと思い、
思わず買ってしまったのですが…
良く見ると…写真手前の飾り紐のピンク部分、 かなり凝った撚り形をしています。
ひとつひとつは小さな作品なのですが、その小ささの中にも 職人技術の凄さを、
充分に分かって頂けると思います。

アトリエで写真撮影許可を頂いたところは、カメラに収めているので、
写真も一緒にお見せし、お話出来ればと思っています。
ご興味がある生徒の皆さま、職人技が光る"本物"と呼ばれるタッセルとロゼットを 是非手に取ってご覧下さいね。
そして、パリに行かれる予定のある方は、是非 店舗に足を運ばれて下さい。
住所 15 rue Etienne Marcel 75001 Paris

お店もとっても素敵な空間で、 年代物のタッセルカーテンタイバックが飾ってあったりと
美術館のような雰囲気です。

ブレードやロゼットのサンプルは、大きなパネル内に沢山収められていて、
見ていて本当に飽きません。
お勧めのお店ですので、機会があれば是非♪
私は…次回渡仏の際に買うものを もうすでに決めています(笑)。

※パリにあるのは販売店舗です。 販売店舗では、個人でもお買い物が出来ます。
営業時間などは、お店に行かれる前に ご自身でお調べ頂き、
最新の情報を得た上で お出掛け下さい。
また、私が訪れたアトリエは パリにはありませんので、お間違いのないように…。