無事に終わりました

先月、RSN(英国王立刺繍学校)の授業が全て終了しました。
通い続けること3年半、長かったような短かったような・・・
でもやっぱり長かったかも(笑)。
無事に授業を終えた今、色んな感情が心の中で溢れています。

RSNに申し込む前、数年かかるカリキュラムを 本当に無事に終わらせることが出来るのかと、
散々悩みました。
でも、RSNで学びたい理由が 溢れるほど沢山あって、そんな気持ちが どうしても抑えきれず・・・
よくよく考えた結果、刺繍が好きで、本当にやりたい気持ちがあるのなら、きっと続けられるはずという考えに至り、受講を決意。

それでも、やっぱり3年半となると、想像していた以上に色々なことが起こるもので・・
正直、苦しい時期もありましたが、受講を決意した時の気持ちを思い出すことで、
何とか無事に 全ての授業を終えることが出来て、今は本当にほっとしています。

RSNの教科書お世話になったRSNの教科書たち

ルサージュ(パリの刺繍学校)で過ごした期間も大変でしたが、RSNではまた違う大変さを経験しました。

RSNでは、課題作品をイギリス本校に提出し、学校の定める技量レベルに到達していないと、不合格。
私が受講したCertificateコースでは、5年の期限内に、4技法全てを習得し、合格しなければならず、
1技法でも不合格となったらアウト。
「終了扱い」とはならないのです。
ルサージュでは課題提出や審査がないので、そういう意味では、審査のあるRSNの方が厳しいと言えるかもしれません。
4技法

ちなみに、Certificateコースの4技法は、ジャコビアン刺繍・キャンバスワーク・ シルクシェーディング・ゴールドワークとなります。

RSNでは、授業内に合格レベル以上の技量を習得することが目的となるので、
レベルに達するまでは、何度も何度もやり直しとなります。
1ステッチの長さが少しでも短い・長いとか、角度がちょっとでもズレていたりすると、先生に すかさず指摘され やり直し・・それを幾度となく繰り返しました。

年を重ねるごとに進む 目の老化と戦いながら、やってもやっても終わらない宿題に加え、技量上達のための自主練習。 刺繍のし過ぎで何度も何度も肩を壊しながらも、とにかく正確に刺せるようになるまで とことん追求した「縫い針 修業」の数年間でした。
RSNで使った道具たち

RSNでは、色んな針や道具を使いました。

授業は終了しましたが、まだ課題をイギリス本校に提出できていない状態なので、完全に終了したわけではありません。
作品によっては、刺繍部分が埋まっていない箇所や、やり直ししたいと思っている箇所もあるので、先ずは作品を完全に完成させなければいけません。
また、その後の額装処理や、英語でのレポート制作もあるので、やらなきゃいけないことは、これから先もまだ続きますが、全てを無事に終えて、晴れてコース終了と言えるように、もうひと踏ん張りします。

RSNイギリス本校2年前に訪れた ハンプトンコート内にあるイギリス本校。 またいつか必ず訪れたいと思います。

RSNお庭 RSNの教室を出たところにあるお庭。 木の形が可愛かったです。

  学校に通っている間は、本当に忙しかったので、中々授業のことをお話し出来ずにいましたが、少しづつ、技法ごとにお話しできたらいいなと思っています。
その際は、また読んでいただけたら嬉しく思います。  

こちらは、先日 拾ったもみじ。
もみじ黄色と赤のグラデーションが綺麗で、シルクシェーディング技法で刺繍すれば素敵だろうなぁと。
もちろん、リュネビル刺繍でも素敵に仕上がりそう。
色んな技法を覚えられた今、表現方法を考えるのがとても楽しいです。