図案写し「Piquage et ponçage」②
先日の投稿にいただいたコメントから、
日本刺繍でも同じ方法で図案を写すことを知りました。
(コメントありがとうございます!)
イギリスやスペイン(ともにゴールドワーク刺繍)、
デンマーク(白糸刺繍)の留学先でも、一部の工程でこの方法が用いられていて、
国は違っても共通する技法があることを、とても興味深く感じています。
ちなみに、転写した粉は擦ると消えてしまうため、
最後にペンなどで上からなぞり、線を定着させます。
「piquage(ピカージュ)」と「ponçage(ポンサージュ)」はフランス語での呼び方ですが
英語では「pricking(プリキング)」と「pouncing(パウンシング)」、
スペイン語では「picado(ピカード)」と「estarcido(エスタルシード)」
と呼ばれています。
残念ながら、デンマーク語での呼び方は忘れてしまったのですが、
デンマークの学校で使ったのは「粉」ではなく「インク」でした。

このインクは「お酢」で落ちるもので、刺繍が終わったあと、お酢で揉み洗いすると、
インクの色がきれいに消えていました。
教室内はお酢の酸っぱい匂いが漂っていましたが(笑)、
当時、「お酢で消えるんだ〜!」と驚いたことをよく覚えています。
白い麻布を使用していたこともあり、図案線が完全に消えることで、
より美しい仕上がりになりました。
※この写真は、そのときに刺繍した作品です。
なお、日本刺繍では胡粉を使用するそうです。
以前、絵画教室に通っていた際に胡粉を使ったことがあるので、
「なるほど!」と感じました。
リュネビル刺繍でよく使用するオーガンジーでは、
粉が布の上に乗りにくく、また布が透けるため、主に直接ペンで写しています。
また、スペインのゴールドワーク刺繍では、最後の工程で図案紙の上から直接刺繍をし、
刺し終わったあとに紙を破いて取り除く方法も用いられていました。
これも伝統的な方法です。

ほかにも図案の写し方にはいくつか種類がありますが、
布の種類や図案の大きさ、工程などに合わせて、適した方法を選ぶようにしています。


